SBT

SBTScience
Based
Targets認定取得
株式会社カツロンは、事業活動や社会活動を通してSDGsに貢献するとともに持続可能な社会の実現に向けて、お客様や社会に役立つものづくりとは何か、を常に問いかけてきました。 そこで、脱炭素社会実現に向けた取り組みの一環として、中小企業版SBT認定を取得いたしました。
2023年度のScope1とScope2のCO2排出量は2,385.3tであり、これを基準として2030年までに42%の削減を目標としています。

SBT認定とは
SBT(Science Based Targets)は、企業が科学的根拠に基づいて温室効果ガスの排出削減目標を設定するための国際的な枠組みです。
パリ協定の「地球の気温上昇を1.5℃以内に抑える」という目標に沿って、企業が短期・長期の削減目標を策定し、SBTi(Science Based Targets initiative)がその妥当性を認定します。
SBTiは、CDP(カーボン・ディスクロージャー・プロジェクト)、UNGC(国連グローバル・コンパクト)、WRI(世界資源研究所)、WWF(世界自然保護基金)の4つの国際機関が共同で設立しました。企業が設定する排出削減目標が最新の気候科学と整合性を持つかを審査し、1.5℃目標やネットゼロ目標に基づいた削減計画を推奨しています。

3つの削減目標
SBTでは、企業の排出量を以下の3つのカテゴリーに分類し、それぞれに対する削減目標を設定します。
特にScope3は、自社の事業活動だけでなく、調達・物流・販売・廃棄などのライフサイクル全体を対象とするため、幅広いステークホルダーとの連携が求められます。
近年、多くの企業がSBT認定を取得しており、特にESG(環境・社会・ガバナンス)投資の観点からも重要視されています。国際的な環境基準が厳格化される中、SBTは企業の持続可能な成長や競争力の強化にも影響を与える要素となっています。
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Scope1
企業が自社で直接排出する温室効果ガス(工場の燃料使用など)
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Scope2
企業が購入する電力や
熱に伴う間接的な排出 -
Scope3
取引先や消費者など、
サプライチェーン全体
における排出
株式会社カツロンのCO2排出量削減の取り組みについて
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Scope1
省エネ設備等への導入をし、Scope1のCO2排出量削減に取り組みます。
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Scope2
使用する電力を一部再生可能エネルギー由来の電力に切り替えることで、
Scope2のCO2排出量削減に取り組みます。 -
Scope3
当社の樹脂加工における脱炭素化(成型時に発生したロスの活用等)を進めることで、
自社およびサプライヤーに係るCO2排出量削減に取り組みます。
Scope1省エネ設備の導入
奈良工場の熱処理設備として使用している簡易貫流蒸気ボイラをエネルギー効率の高い機種に更新しました。
ランニングコスト及びCO2削減に寄与しました。
【効果】
燃料使用量(灯油):約12,000L/年
CO2排出量:約31t-CO2/年

項目 | 単位 | 更新前 | 更新後 | |
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ボイラシステム | ボイラ運転効率 | % | 85.9 | 90.6 |
燃料種類 | - | 灯油 | 灯油 | |
燃料使用量 | L/年 | 155,991 | 143,670 | |
蒸気供給量 | t/年 | 1,773,466 | 1,789,444 | |
加温蒸気量 | t/年 | 0 | 16 | |
CO2排出量 | t-CO2/年 | 387 | 356 | |
削減効果 | 燃料削減量 | L/年 | 12,321 | |
CO2排出量 | t-CO2/年 | 31 | ||
CO2削減率(設備比) | % | 7.9 |
Scope2再生可能エネルギーへの転換
栃木工場で使用している約1,000,000kw/h(年間)の電力を全て再生可能エネルギーへ変更します。スコープ1に分類される燃料の使用がなく、CO2排出量はほぼゼロに近い工場となります。再生プラスチックを使用した駐車場緑化資材(ターフパーキング)の生産工場でもあり、クリーンな工場でエコな商品を生産しています。

Scope3廃棄ロス削減
ポリプロピレン(PP)の成形ロスの使用用途が見つからず毎月約2tを廃棄していることが課題でした。当社の環境配慮型製品のターフパーキングに混ぜる事に成功し、全てリサイクルが可能となりました。
ターフパーキングは『持続可能な社会を創造する』をテーマとして掲げている大阪・関西万博の空飛ぶクルマの離着陸場に採用されました。
【参考】
ポリプロピレン樹脂製造時に排出されるCO2排出量:1kgあたり約3kg。毎月6t-CO2の削減となった。
